ソケイヘルニアの日帰り手術は、諸般の事情により2019年2月4日をもって終了いたしました。
現在予約されている方の手術は予定通り行います。
今後受診されるソケイヘルニアの患者さんには手術を行っている連携病院を紹介いたします。
術後のフォローアップはこれまで通り行いますのでご安心ください。
ご不便をおかけして申し訳ありませんがご了承ください。
全国でヘルニアの手術指導を行っている達人による手術
当クリニックでは、日本のヘルニア外科のリーダーの一人である東京慈恵会医科大学附属第三病院外科の諏訪勝仁講師によるソケイヘルニアの手術を行っています。当クリニックの日帰りソケイヘルニア手術は、「メッシュ」という合成繊維からできているシート状の補強材を用いたものです。
当クリニックのソケイヘルニア日帰り手術の特徴
- 専門医による、医療安全に配慮した安心できる日帰り手術
- 再発率0.3%以下。品質管理の行き届いた日帰り手術
- 専任の麻酔医による安全な全身麻酔と術後の痛みコントロール
- 対象は74歳以下で、心臓病・脳血管障害などの病気のない方。血液をサラサラにするお薬を飲んでいない方。
外来の受診
受付時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
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8:30-11:00 | ○ | ○ | × | ○ | ○ | ○ | × |
15:30-17:30 | ○ | × | × | × | × | × | × |
院長、または諏訪先生の外来を受診してください。
諏訪先生は、月曜日の16時から18時まで診察を行っています。
※水曜日は院長の休診日ですので、院長外来はありません。
※月曜日の14時から16時の、院長による有料予約制の消化器特殊外来(予約料2,000円税別)もご利用いただけます。こちらは初診の方でも15分以上お待たせすることはありません。
※有料予約は、平日午後に042-644-1127までお電話をください。
ソケイヘルニアとは
おなかの壁が弱くなり、おなかの壁の隙間から、おなかの中の腸や脂肪などがでてきて、足のつけねがふくれてくる病気です。大きさは、ウズラの卵くらいの小さなものから子供の頭くらいの巨大なものまで様々です。ふくらみは、通常はやわらかく、押せばへこみます。立ったり、力をいれてふんばると膨れてきます。痛みがなく違和感程度のこともありますし、痛みが強いこともあります。腸がはまりこんで戻らなくなると「嵌頓」といって硬くふれて強い痛みがでます。
生まれる前、男性の場合は、睾丸がおなかの中にあります。この睾丸が生まれるまでに降りてきて、おなかの壁をとおりぬけて陰嚢におさまります。このとき通った道が「ソケイ管」と呼ばれる場所です。ここが構造的にやや弱いため、ソケイ管からおなかの中の腸や脂肪がおなかの壁の一番内側にある腹膜という薄い膜に包まれた状態ででてきてしまうのです。女性の場合は、滑脱ヘルニアといって卵巣や卵管、膀胱の一部がててくることもあります。またふくれている部分の腹膜の中に、子宮内膜症が合併して、生理のときに腫れが大きくなったり痛みがでることもあります。
男性に多くみられますが、女性にもおこります。右側に多くみられる傾向があります。
ソケイ部のヘルニアの種類
ソケイ部のヘルニアには、3種類あります。
足を曲げたときに折り目になってしわができるところがソケイ靭帯というところですが、その頭側にでてくるのがソケイヘルニア、その足側にでてくるのが大腿ヘルニアです。
ソケイヘルニアには、2種類あります。おなかの中から見たときに、内側の膀胱に近いところからでてくる内ソケイヘルニア(直接型ともいいます)と外側からでてくる外ソケイヘルニア(間接型)があります。からだの表面にでてくるところは同じなので外からはなかなか区別がつきません。手術の方法は、基本的には同じです。
大腿ヘルニアは、女性に多く、足にいく血管の内側の弱い部分から、腸や脂肪組織がでてきます。
ソケイヘルニアの治療
ヘルニアバンドというバンドで圧迫したり、パンツで圧迫したり、テープでおさえるなどの姑息的な方法がありますが、根治的に治すには手術しか方法はありません。ヘルニアがあるからといって必ず手術をしなければならないというものでもありませんが、次第に大きくなり不快感がありますので、手術をうけて治されることをお勧めします。
手術を受ける場合は、バンドやテープでの圧迫はおやめください。皮膚が傷つき、手術のときの感染の原因となります。
ソケイヘルニアの日帰り手術
日帰り手術についてご説明します。通常の手術と違う特別な、1~2日で治ってしまう魔法のような手術があるわけではありません。当院では、お昼に入院していただき、午後手術を行い、夕方5時ころ退院するという1日入院での日帰り手術を行っています。
ソケイヘルニアの手術には、大きくわけて2つのやり方があります。
従来の方法は、でてきたヘルニアの袋を切り取って、筋膜という組織を縫うことによって、再発しないように補強をするやり方。
もう一つは、当院で行っている「メッシュ」という合成繊維からできているシート状の補強材を用いて補強を行うやり方です。日帰り手術は、後者の「メッシュ」を用いて手術を行います。この方法であると、術後の痛み、突っ張り感が少なく、日帰り手術に適した方法といえます。「メッシュ」にはいろいろな種類がありますが、当院では、腹膜前脂肪層というおなかの壁の一番内側の補強ができる「ダイレクトクーゲルパッチ」という材料を用いています。また再発や前立腺手術後などの場合は、補強の仕方に応じて他の種類のメッシュを使用することもあります。
日帰り手術は、痛くないかといえば、やはり手術ですので多少の痛みはありますが、麻酔の方法などを工夫しますので、当日帰宅して、自宅療養が可能であるということです。帰宅してから痛くて困るということはほとんどありません。
入院治療といっても、実際には、病院のベッドで寝ているだけのことが多いので、病院ではなく、住み慣れて快適な自宅で療養して頂くのが日帰り手術です。
入院治療の場合、痛くなってから痛み止めを使う場合が多いのですが、当院の日帰り手術では、痛くなる前に予防的に痛み止めを使用することもできますので、入院治療よりも感じる痛みは軽くなります。
手術をうけるための術前検査
安全に手術をうけるには、全身的なチェックが必要です。一度来院していただき、診察をうけていただきます。胸部レントゲン検査、腹部CT検査、血液検査、尿検査、呼吸機能検査、心電図検査などの術前検査を行います。費用は初診料と検査費用で、3割負担の方で10000円程度です。
現在のまれている薬がある場合は、薬のリストなどを持ってきて見せてください。最近健康診断などを受けている場合は、その結果を見せていただけると参考になります。
実際に補強に使用するメッシュもお見せすることができます。
ヘルニアの達人の手術
日本のヘルニア外科のリーダーの一人である東京慈恵会医科大学附属第三病院外科の諏訪勝仁講師による手術を行っています。日本全国でヘルニアの手術指導をされているヘルニアの達人です。手術は原則として月曜日、あるいは第1金曜日に行っています。
手術の予約
術前検査で問題がなければ、手術日を決めます。手術予約金3万円をお預かりします。予定通り手術を受けられた場合は、手術当日予約金はお返ししますので当日の支払いに当ててください。手術のキャンセル、変更は、手術の2週間前までにお願いします。これ以降のご本人の都合によるキャンセルの場合は予約金がお返しできなくなりますのでご了承ください。
手術当日
お昼の12時に来院していただき入院となります。手術衣に着替えていただき、手術をする側の皮ふに、マジックインキで印をつけていただきます。これは、左右を間違えて手術しないための安全対策です。点滴をするための静脈留置針をいれます。ここから水分の補給のための点滴を始めます。
手術自体は、30-60分の手術です。麻酔の先生が、麻酔薬を点滴からいれると寝てしまいます。全身麻酔で行いますので寝ている間に全て終了します。手術が終了すると、「目をあけてください」と声をかけますので、目をあけてください。
術後は、病室で経過をみて十分に目が覚めてから退院となります。この間に痛みの具合を見ながら、痛み止めの量を調節します。
お帰りは、歩いて帰るのはなかなか大変ですので、車で帰ることをお勧めしています。お迎えにきていただく方がいない場合は、タクシーの利用をお勧めしています。ご自分で運転されるのは危険ですので術後7日間は絶対におやめください。
遠方の場合は、クリニック周辺のホテルに泊まってていただくという方法もあります。(八王子プラザホテル協定料金1泊6325円、京王プラザホテル八王子協定料金1泊10000円)お泊りになる場合は、できれば2泊された方が、お帰りが楽になります。翌々日に診察を受けてからお帰り頂きます。
麻酔の工夫
当院では、全身麻酔にて手術が行われますので、寝ている間にすべて終了します。
麻酔は、麻酔専門医あるいは麻酔指導医の資格をもつベテランの麻酔医あるいは院長が担当します。手術中ずっと付き添って患者さんの安全を確保します。
経験豊富な麻酔医が、術後も痛みが強くならないように、専用の携帯用ポンプを使用して痛み止めの薬を持続皮下注射という方法で投与することもできます。術後の痛みが強いのは2日間ほどです。この2日間をこのポンプを用いた方法で、痛みを軽減させることができます。術後の痛みが強くない場合は、使用しません。痛みの状態をよく診ますので横になって休んでいる状態で、痛みがつらくて仕方ないということはほとんどありません。
術後の経過
手術を受けられたほとんどの方は、痛かったのは2~3日といわれます。痛みを強く感じる方は、この一番つらい始めの2日間を、痛み止めの持続皮下注射を使用すると比較的楽に過ごすことができます。
通常、術後3~7日は、自宅での療養が必要です。個人差がありますが、1週間会社を休まれる方もいれば、3~4日後に仕事へ出る方もいます。術後の通院は、1週間から10日後に来ていただき抜糸となります。それまでの通院は、異常がないかぎり必要ありませんが、お越しいただければ、創部の状態などをチェックいたします。
手術を受ける方には、院長の携帯電話の番号をお知らせしますので、何か心配なことがある場合は、診療時間内は、クリニックへ、夜間など診療時間外は、携帯電話へ電話をください。
必要があれば、訪問看護、往診もいたします。
術後3週間は、激しい運動、自転車、重いもの持つこと、トイレで強くいきむことはさけてください。トイレはできれば洋式トイレを使ってください。軽い散歩、事務的な仕事などは、差し支えありません。ソケイヘルニアの手術と自転車はたいへん相性がわるいので、術後3か月は長時間のサイクリングなどはおやめください。手術をした場所に反復して強い力が加わるため、再発や術後の痛みの原因になります。
手術成績について(6年間662例の成績)
- 当院で手術を受けた方の再発率は、初回手術の場合は、0%
- 再発に対して手術を行った方の再々発 1名 0.15%
- 日帰りができず、連携病院に入院となった方 1名 0.15%
- 術後キズからの出血で再縫合した方 1名 0.15%
- 抜糸後にキズが開き再縫合した方 2名 0.3%
- 術後の疼痛のため往診した方 2名 0.3%
上記のような良好な成績です。
術後再発の原因としては、補強のために入れたメッシュがはがれたり、ずれたりすることがほとんどです。術後早期に無理をされないようにご注意ください。
手術費用
入院手術の費用は3割負担の方の場合、片側のソケイヘルニアの日帰り手術は7万円前後、となります。両側の場合は、9万円前後、大腿ヘルニアの場合は、8万円前後ほどかかります。手術当日は、概算での仮会計となります。1週間後の抜糸のときに、多少の差額がでて精算することがありますので、ご了承ください。
関連サイト
「ヘルニア倶楽部」というメーカーのホームページのリンクがありますので、参考にされてください。
詳細はこちら ⇨ http://www.hernia.jp/